本物ケア学会

TRUE CARE SOCIETY

第18回 本物ケア学会

優秀賞 乳児期~思春期
テーマ 環境適応に困難さを抱える児が幼稚園に楽しく通えるまでの軌跡
-関係機関と連携することの重要性-
事業所名 創心会児童発達支援ルーム心歩茶屋町
氏名 岡田 慎司
発表内容 幼稚園に所属されていらっしゃる、人と関わること・遊ぶことが大好きなお子様でした。しかし、新しい環境に慣れること・変化に適応することに苦手さを抱えていらっしゃり、幼稚園での集団活動への参加・椅子への着座・帽子の着帽に困難さが生じていました。幼稚園と話し合いを行い、園での困り感を事業所内で成功体験に変えていく、園生活の中で実践できる方法を幼稚園の先生方と協同して取り組んでいった結果、集団活動に参加できるようになっていきました。事業所で単一的な支援を提供するだけでなく、関係機関と連携することの大切さを学びました。
あなたにとって
本物ケアとは?
ご利用者様・ご家族にとって必要な生活をイメージし、
その生活の実現に向けて尽力すること
優秀賞 青年期~壮年期
テーマ 中堅世代の終末期に寄り添う
-3事例から考える緩和ケアとコミュニケーションの重要性-
事業所名 創心会訪問看護リハビリステーション
氏名 若松 由香
発表内容 今回の事例の一つは、前年度第17回の本物ケア学会時点でエントリーシートの作成まで進めていましたが、時期尚早でご家族からの同意を得ることは難しいだろうと判断し、エントリーを断念していました。それから1年が経過し、その間にも様々なケースと向き合う中で「ターミナルケアにおいて看護師が日々どのような思いで利用者や家族と向き合っているのかを伝えたい」という気持ちが強くなり、今回の発表に至りました。今回発表した3事例は、私達が経験した事例のほんの一部に過ぎません。必ずしも全てが上手くいったケースばかりではありません。正解がなく、一人ひとりに合わせた対応が求められるからこそ、看護師は日々悩み、試行錯誤を重ねながら看護を実践しています。事例のご家族様からは完成した論文をお読みいただいた後に感想を寄せてくださいました。電話口では涙を流されながらも、「訪問看護が来ている時間はほっとできる時間だった。思い出すと今でも悲しく辛いこともあるが、その思いを分かち合ってくれる存在がいることが有難い」と話してくださいました。この言葉を頂き、私達が日々行っている看護には確かな意味があることを改めて実感しました。
あなたにとって
本物ケアとは?
医療従事者やご利用者様に関わる全ての人にとって共通言語として理解しておくべきもの。根底に本物ケアがあれば、専門性によって考え方の違いはあっても目的に向かって同じ方向をむいて進むことができる。
優秀賞 老年前期
テーマ 進行性疾患を抱えながらも、瀬戸内倉敷ツーデーマーチに参加継続されている事例
-福祉用具・通所介護・訪問リハとの連携-
事業所名 創心会元気デザイン倶楽部茶屋町・創心会居宅介護支援センター倉敷
氏名 松原 龍彦・坂本 健二
発表内容 A様の支援当初は比較的年齢も若く、進行性疾患であることから、今後加齢に伴う長期療養を想定し、生活に必要な動作能力維持、機能低下防止や転倒予防策に着目して支援展開しておりました。しかしデイサービスのご利用の中で生活歴聴取やコミュニケーションから本人や家族の思い出を聴くことができ、心に寄り添った支援をチームで共有し、叶えたいという一体感が生まれました。そのことが結果的に本人のリハビリ意欲を高め、生活の質的向上にもつながりました。今後も目標を持って支援していくことで、新たな目標「サッカー観戦」も達成できております。A様らしく疾患を抱えながらも生き生きと生活が続けられるように、私たち自身も心の栄養となる支援を継続したいと考えております。
あなたにとって
本物ケアとは?
ご利用者様の心に寄り添い、その方らしい目標を一緒に達成できるようにチーム一丸となり
支援していくことだと思います!!
優秀賞 老年中期
テーマ メンタルアティテュード形成により社会的交流が広がった一例
‐趣味の絵手紙に想いをのせて‐
事業所名 創心会リハビリ倶楽部笹沖
氏名 安部 泰士
発表内容 右麻痺失語の80歳代男性で、当初寡黙で控えめな様子があり他者交流は少なめでした。失語があるためコミュニケーションや意思疎通を行うことが難しくもどかしさを感じていました。本人様の想いに寄り添いできることを段階的にアプローチすることで徐々に表情も和らいでいき他者交流も積極的に行えるようになりました。また本人様の趣味の一つである絵手紙に着目し、デイで行う時間を設けることで絵手紙を通じて自分自身の想いを表現したり伝えたり、相手とのコミュニケーションツールの一つとして活用することに繋がりました。ご本人様の得意とすることに着目しアプローチすることで心境の変化を生み出すことができ、またその方らしさを取り戻すことができました。
あなたにとって
本物ケアとは?
できることやできそうなことに着目し心を動かす心創りを大切にしながら
日常生活の可能性を広げるケアのこと
優秀賞 老年後期
テーマ 老齢の母 息子の看取り
‐悼みに寄り添い、心をあたためる‐
事業所名 創心会居宅介護支援センター大安寺
氏名 佐藤 健志
発表内容 老齢の母親が、息子様の看取りを経験された事例について、支援した経過をまとめました。息子様のケアに際しては、介護者である母親も足が悪く、介護力をどのように補うかという点が主眼となりました。また、お亡くなりになった後の喪失体験についても考えながら、死別前からのグリーフケアを意識してかかわりました。息子様がお亡くなりになった後は、特別なことではなく頻繁にこちらから連絡し、心が折れてしまわないように働きかけました。息子様を亡くした痛みはあっても、自分らしく人は生きていけるのだという、人の持つ強さを学ばせていただきました。
あなたにとって
本物ケアとは?
特別なことをするのではなく、等身大のその方と向き合うこと、
その姿勢を見失わないことが重要だと思います。

最優秀賞

青年期~壮年期
テーマ デイサービスにおける就労支援
‐復職を目指す人の為にデイサービスができること‐
事業所名 創心会リハビリ倶楽部中洲
氏名 秋山 茜、杉原 紗綾
発表内容 ①左被殻出血、右視床出血、失語症、高次脳機能障害のある50歳代男性。失語症もあるためかあまり他者と交流をされない寡黙な印象の方でした。
②病後実家のある倉敷市に転居されておりますが、東京で勤務されていたためもう一度復職したいという思いがありました。しかし、物にぶつかってしまうなど右半側空間無視や注意機能の低下が見られており、一人暮らしや現段階での復職は難しい状態でした。
③ご本人様の想いをくみ取りながら困っていることに対してその都度適切なトレーニングの提案を行ったり、発話の機会を増やせる環境設定やモチベーション維持に繋げられるプラスフィードバックを行っていきました。内向的な性格であるという事前情報もあったため、スタッフから率先して声を掛け発声できるような環境づくりを意識しました。身体機能が大きく向上したことで介護保険を卒業し、岡山にある支社の工場での復職を果たすことができました。
④難しい目標でも1つずつクリアしていくことで目標を達成することが出来るという事を学ぶことができました。今後もご利用者様を支援していく中で難しいからと決めつけるのではなく、寄り添いながらできる支援を行って行きたいと思います。
あなたにとって
本物ケアとは?
ご利用者様に寄り添いながら難しい所はフォローを行い、
できるを知って頂く事でご自身の可能性を広げて頂く事。